ブログ 2009/8/12

GMの新型HV シボレー ボルト、燃費98km/リットルは本物か?[AT-1新富士駅店の社長ブログ]

投稿日時:2009/08/12(水) 20:40

http://response.jp/issue/2009/0812/article128354_1.html
8月12日20時40分配信 レスポンス

シボレー ボルトの燃費は230MPG(マイル・パー・ガロン=約98km/リットル)としているが…
GMは11日、2010年に発売予定のプラグインハイブリッド車、新型シボレー『ボルト』の市街地燃費が、230MPG(マイル・パー・ガロン=約98km/リットル)になるとの見込みを明らかにした。日本でも12日、各種報道で「夢の100km/リットル車登場!!」と騒がれているが、この燃費は現行の米国燃費基準とは異なる方法で計測された数値であることに注意する必要がある。

まずは、ボルトのメカニズムを紹介しておこう。プラグインハイブリッド車のボルトは、家庭用コンセントからも充電できるのが特徴だが、GMが「エクステンデッドレンジEV」と呼ぶように、基本はモーターのみで走行。エンジンを充電専用としている点が、同じハイブリッド車のトヨタ『プリウス』との最大の違いとなる。

ボルトのモーターは最大出力150ps、最大トルク37.7kgmを発生し、最高速度は161km/h。2次電池は蓄電容量16kWhの大型リチウムイオンバッテリーで、充電時間は120Vコンセントで約8時間、240Vコンセントで約3時間だ。

フル充電時の最大航続距離は40マイル(約64km)。バッテリー残量が少なくなると、発電用の1.4リットル直4エンジンが始動。ジェネレーターを回して、モーターに電力を供給するとともに、バッテリーを充電。その結果、航続可能距離は480km以上まで伸びる。「エクステンデッドレンジEV」という名前の由来は、エンジンを回すことで走行距離を延長する電気自動車、という意味が込められている。

さて、GMが主張する230MPG(約98km/リットル)の市街地燃費だが、EPA(米国環境保護局)が年内に導入予定の新燃費基準に基づいている点に留意したい。

EPAの新燃費基準は、プラグインハイブリッド車やEVなど、モーター主体で走行する車両に適用を予定しているもので、GMはこの基準に基づいて、ボルトの試験車両で燃費を計測。まず、バッテリーだけで走行可能な40マイル(約64km)を走行。そこからさらに11マイル(約18km)、充電用エンジンを回しながら走り、トータル51マイル(約82km)を走行した時点で、燃費を計測した。この間、ボルトは0.22ガロン(約0.83リットル)のガソリンしか消費しておらず、結果、230MPG(約98km/リットル)という驚異的な燃費になるわけだ。

この燃費を実現するには、バッテリーはフル充電状態であることが前提。バッテリー残量が少なければ、エンジンの作動時間が長くなるわけで、当然、燃費は98km/リットルよりも悪化することになる。

米国で販売する全新車の燃費を審査するEPAは11日、GMの発表について、「EPAは現在、年内の公表を目指して新燃費基準を策定中。EPAはボルトの燃費を計測しておらず、GMが発表した230MPGの燃費は、公的に認定されたものではない」との声明を出している。

また、一部メディアはボルトの230MPGの燃費をプリウスと比較し、「ボルトの燃費はプリウスの51MPG(約22km/リットル)の4.5倍」と報じているが、計測方法が異なるため、意味がない。

しかし、この「230MPG」のインパクトは強烈。他社に与えた影響も大きく、日産はソーシャルネットワークサービスの「Twitter」において、「新型EV『リーフ』の燃費は、EPAの新燃費基準に照らすと、367MPG(約156km/リットル)になる」との見通しを示し、ボルトをかなり意識している様子だ。

GMは「230MPG」のフレーズをキャンペーン名称として使っており、「世界一の燃費性能を達成」と、ボルトの燃費の良さを大々的にPR。2010年後半のボルト発売後には、「実燃費はたいしたことない」と言われなければいいのだが……。

《レスポンス 森脇稔》

【業界予測09夏】エコカーブームは短命? 政府支援頼みの自動車業界[AT-1新富士駅店の社長ブログ]

投稿日時:2009/08/12(水) 11:43

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090812/biz0908121155010-n1.htm
2009.8.12 11:43

エコカー減税の追い風で絶好調のトヨタの新型プリウス
 新車販売に復調の兆しが出てくるなど、「どん底」(豊田章男トヨタ自動車社長)からは何とか脱出した自動車業界。もっとも、復調はエコカー減税や買い替え補助による政府支援のおかげだ。支援を追い風にした空前のエコカー・ブームも、「需要の先食い」との見方が根強い。このまま本格的な回復軌道に乗れるかは不透明で、視界は晴れない。
7、8月は30%増
 「7月は販売目標台数を3割近く上回るペースで推移している。今後も大いに期待できる」
 首都圏のホンダ系列ディーラーの店長は、ホクホク顔だ。足元の新車販売は活気にあふれている。
 自動車メーカー主要8社がまとめた今年上期(1~6月)の国内生産台数は、全社で過去最大の下落率を記録した。しかし、エコカー減税対象車の売れ行きが好調なうえ、中国市場も急回復しており、工場の休日出勤を再開するなど、徐々に明るさが戻りつつある。
 日産自動車の志賀俊之最高執行責任者(COO)も「6月中旬ぐらいから受注ベースで前年を30%以上も上回っている」と明かす。
 ホンダの近藤広一副社長は、ハイブリッド車(HV)のインサイトについて、「当初計画は国内販売6万台だったが、最低でも10万台は売りたい」と鼻息が荒い。
 トヨタ自動車も、発売以来の受注台数が25万台を突破し絶好調の新型プリウスの国内販売計画を10万台も上方修正した。

政府支援の追い風は国内だけではない。各社の稼ぎ頭である米国市場でも、回復の動きが出てきた。
米国でも購入者殺到
 トヨタの伊地知隆彦専務は「サプライズ! われわれの想定以上の(販売支援の)効果が出ているのでは…」と驚きを隠さない。
 7月の米新車販売台数は前年同月比12・2%減の99万8000台となり、マイナス幅が昨年の8月以来11カ月ぶりに20%を下回る水準まで縮小。年換算では1124万台となり、昨年12月以来7カ月ぶりに1000万台の大台を超えた。
 米政府が7月下旬に低燃費車への買い替え補助制度を導入。消費者がディーラーに殺到し、短期間で販売を押し上げた。補助金はあっという間に底をつき、米政府はすかさず20億ドル増額する法案を成立させた。
 買い替え補助は、燃費性能の優れた日本車への恩恵は特に大きく、制度を利用した新車販売のうち、日本車がトップ10の半分を占めたほど。
 トヨタ、ホンダが平成21年4~6月期の決算発表に合わせ、平成22年3月期の通期予想を上方修正したのも、国内市場にとどまらず、米国でも回復の動きが出てきたためだ。

低い利益率
 だが、先行きへの不安材料も依然として多い。足元の販売回復は、日米ともに政府の支援頼みというのが実情だ。「いずれ買い替えよう」と考えていた消費者が、前倒しで購入しているだけという可能性が高く、こうした需要が一巡した後も、回復基調を維持できる保証はない。
 若者を中心に、「クルマは不要」という消費者は増えており、エコカー・ブームが短命で終わる懸念はぬぐえない。
 しかも、過度のエコカーへの依存は、リスクを伴う。電気モーターや電池を搭載するHVは、コストが高く利益率は低い。特に、ホンダのインサイトは189万円、トヨタのプリウスも205万円という、利益を極限まで削った戦略的な価格設定にしている。HVが売れた分、利益率の高い他のガソリン車が売れなくなる懸念もあり、収益構造が悪化するのは必至だ。
 岡三証券の岩元泰晶アナリストは「メーカーがエコカーを目玉として売る場合、それ以外の車の品ぞろえをよくして相乗効果を生む必要がある」と指摘する。政府支援のエコカー頼みでは、とても先行きを楽観できない。(鈴木正行、山口暢彦)

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